虫歯の痛みを“正露丸”で改善させることは可能なのか?

“正露丸”は、大幸薬品が販売する胃腸薬であり、100年以上の歴史があります。
こちらの名前を聞くと、皆さんは“腹痛を治す薬”というイメージを持たれるかと思いますが、実は虫歯にも効果があるとされています。
ここからは、本当に正露丸で虫歯の痛みを改善できるのかについて解説しましょう。

正露丸の概要

正露丸は、主成分の木クレオソートをはじめ、アセンヤク末、オウバク末、カンゾウ末などの生薬が配合された胃腸薬です。
おそらく、日本人の方なら誰もがご存知でしょう。

天然成分の木クレオソートは、腸の運動を止めず、腸内の水分バランスを調整し、お腹に作用する成分であり、特に食あたりや消化不良、下痢などに効き目を発揮します。
こちらに、整腸剤として用いられるアセンヤク末、収斂作用を有するオウバク末、鎮痙作用や抗炎症作用を持つカンゾウ末などが合わさることで、より高い効果を発揮するように計算して作られています。

正露丸で虫歯の痛みは改善される?

正露丸の主な効能は、軟便や下痢、食あたりといった症状の改善ですが、虫歯の痛みも改善してくれます。
こちらは、実際正露丸の効能としてホームページ等にも記載されているため、間違いありません。

具体的には、痛みのある虫歯に適量の正露丸を詰めることで、一時的に痛みが治まります。
なぜなら、主成分である木クレオソートは、歯の鎮痛・鎮静や根管の消毒薬としても使用されているからです。

痛み止めよりも早く痛みを解消できる方法として、実際に実践している方も少なくありません。

正露丸で虫歯の痛みを改善する方法

先ほど触れましたが正露丸で虫歯の痛みを軽減する場合、服用するわけではありません。
虫歯でできた穴に適量を詰めて使用します。

ここでいう適量とは、虫歯の穴に合った量です。
穴が大きければ一個をそのまま、小さければ半分などにした上で患部に詰めていきます。

また正露丸を歯に詰めると、独特なニオイがします。
皆さんもよくご存知のあのニオイです。
その上刺激のある味がしますが、詰めた後は数十分程度我慢します。

しばらくすると正露丸の成分が染み込み、歯痛が減ってきます。

正露丸を使用する際の注意点

正露丸は虫歯の痛みを軽減できますが、誰でも使用できるわけではありません。
過去に正露丸や含まれる成分でアレルギー症状を起こした方は、使用できません。
例えば発疹や発赤、かゆみやむくみなどが出たことがある方です。

また正露丸を使用したとしても、必ず虫歯の痛みが減少するとは限りません。
場合によっては、1~2回使用しても痛みが取れないことがあります。
このようなケースでは、何度使用してもこれといった効果が現れない可能性が高いです。

使用を中止し、正露丸の添付文書を持って歯科クリニックの医師に相談してください。

虫歯が治るわけではない

正露丸を使用すれば、確かに虫歯の痛みは改善されますが、虫歯が治るわけではないため、注意しましょう。
ホームページにも、「一時的に痛みが治まっても、なるべく早く歯科医師の治療を受けてください」という記載があります。

こちらの呼びかけを無視し、虫歯に正露丸を詰めたままにしていると、痛みによるサインを自ら遮断することになり、根管まで虫歯菌が広がったり、顎の骨を溶かしたりする原因にもなりかねません。

もちろん、詰めている間は、正露丸独特の味が口内に広がり続けるため、不快感を覚える可能性もあります。

痛み止めでも虫歯は完治しない

正露丸を使用しても、虫歯を根本から完治させることはできません。
こちらは正露丸以外の痛み止めにも同じことが言えます。

ドラッグストアなどでは、さまざまな種類の痛み止めが販売されています。
通院する時間がない方は、応急処置としてこちらを使うことも多いでしょう。

しかし痛み止めは正露丸と同じく、あくまでも痛みを一時的に抑えるだけです。
多くの痛み止めは、使用から6時間も経つと効果が切れてきます。
そしてまた痛み始めます。

ちなみに、痛み止めの効果が切れても痛みが出なくなる場合があります。
こちらは多くの場合、虫歯がさらに進行して痛みを感じない段階に入っているだけです。

虫歯の状態によっては痛みが強くなることも

正露丸の歯痛軽減効果は、公式に発表されている効果です。
しかし虫歯の状態によっては、正露丸を詰めることで激痛になることもあります。

具体的には虫歯が神経にまで達しているとき、正露丸が刺激になることが考えられます。
そのため、その後の虫歯治療にかえって悪影響を及ぼす可能性があります。

歯の痛みが強くなると、歯への麻酔が効きにくくなります。
こちらは、正しく治療ができないことにつながりかねません。

このことから正露丸を詰めて症状がひどくなった場合は、すぐ使用を中止してください。
そしてすぐ歯科クリニックを受診しましょう。
早急に治療しなければ、抜歯以外の選択肢がなくなるおそれがあります。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・正露丸は木クレオソートをはじめとする生薬が配合された胃腸薬

・正露丸を虫歯に適量詰めることで、一時的に痛みが改善される

・虫歯の痛みは引くものの、治るわけではない

・正露丸を虫歯に詰め続けていると、悪化していることに気づかないおそれがある

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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