虫歯治療は、そのまま行うと強い痛みを伴うため、ほとんどのケースで麻酔が施されます。
しかし、人によっては、効果があまり得られないこともあります。
今回は、虫歯を治療する際に麻酔が効きにくい3つの原因について解説しますので、治療を検討している方はぜひ参考にしてください。
歯に強い炎症が生じている
歯に強い炎症が生じている場合、麻酔が効きにくくなることがあります。
人の血液は、通常pH7.4程度の弱アルカリ性に保たれていますが、炎症がある部位のpHは酸性に傾きます。
麻酔は健康な場合のpHで効果を発揮するように作られているため、炎症によって酸性に傾いている部位では、神経細胞に麻酔薬が取り込まれ、ほとんど機能しません。
ちなみに、虫歯が悪化し、炎症を何度も繰り返している場合も、麻酔は効きにくくなるため、注意しましょう。
こちらは、度重なる炎症によって組織が硬くなり、麻酔薬が浸透しにくくなることが理由です。
麻酔が効きにくい箇所を治療している
虫歯治療における麻酔が効きにくい原因としては、そもそも麻酔の効果が薄い箇所を治療しているということも挙げられます。
具体的には、下の奥歯を治療する際、あまり麻酔が効かないことが多いため、注意してください。
こちらは骨の構造によるもので、下顎の骨は厚みがあり、密度も高いため、どうしても麻酔薬が骨を通過しづらいです。
特に、奥歯の周囲にある骨がガッチリとしているため、麻酔が効かないというケースが多々見られます。
一方、上顎の骨密度はそれほど高くないため、麻酔が機能しないケースはほとんどありません。
体調が悪い
体調が悪い場合も、虫歯治療における麻酔は効きにくくなります。
例えば、睡眠不足などで虫歯治療を行う場合、なかなか麻酔が効かず、麻酔量が通常よりも多く必要になったり、治療後にフワフワとした違和感を覚えたりすることがあります。
虫歯治療は、少なからず身体に負担がかかるものであるため、もし当日体調が優れないのであれば、早めに歯科クリニックに連絡し、無理をせず体調を整えてから望みましょう。
キャンセルできないということは、基本的にはありません。
膿が溜まっている
患部に膿が溜まっている場合も、麻酔が効きにくくなることがあります。
虫歯は中程度くらいまでほぼ痛みしかありませんが、重度になるとさらに症状が増えていきます。
例えば神経が死滅して痛みがなくなったり、患部に膿が溜まり始めたりします。
また患部が化膿して膿が溜まっていると、麻酔薬が膿によって薄められたり、嚢胞という膿の袋が壁となって神経まで到達しなかったりします。
ちなみに虫歯はそれほど重度でなくても、歯周病を併発している方は、同じように口内に膿が形成されて麻酔薬の効果を妨げる可能性があります。
精神的な緊張や不安がある
虫歯治療の麻酔が効きにくくなる原因としては、患者さんにおける精神的な緊張や不安も挙げられます。
過去の歯科クリニックでトラウマを抱いている方などは、虫歯治療に対して過度に不安になったり、緊張したりします。
特に子どもの頃、無理やり口を開けさせられたり、歯科医師に怒られたりした経験がある場合は、それがネガティブな思い出として残りやすくなります。
このような状態だと、脳が痛みに対して敏感に反応します。
またリラックスできていない場合、精神的なバイアスにより、効いていないと感じやすくなることもあります。
ちなみに現代の歯科クリニックでは、無理やり治療を行ったり、治療の際に患者さんを叱責したりするようなことはまずありません。
過去の飲酒習慣や体質
過去の飲酒習慣や体質も、虫歯治療の麻酔が効きにくくなることにつながります。
日常的にお酒を飲む方は、肝臓の代謝機能が活発であり、麻酔薬の分解が早いために効きにくいと言われることがあります。
こちらの説には医学的な個人差がありますが、お酒が麻酔と相性の良くないものであることは確かです。
その他の原因
その他の原因としては、痛み止めの常用や骨密度の高さ、過去の経験などが挙げられます。
虫歯だけに限らず、その他の疾患などで慢性的な痛みを抱えている方は、痛み止めを頻繁に使用します。
この場合、神経が薬に対して耐性を持っていたり、痛みへの感受性が変化したりしていて、麻酔が効きづらいことがあります。
また骨の密度には個人差があり、骨が非常に緻密な方は、麻酔液が神経の通り道まで浸透するのに時間がかかることがあります。
場合によっては、どれだけ時間をかけても浸透しきらないことも考えられます。
さらに先ほど過去の治療でトラウマを抱えた方は、麻酔が効きにくくなるという話をしましたが、実際過去の治療で麻酔が効かなかった経験をしたという方もいます。
このような経験があると、「今回も効かないのではないか」という予期不安から、ほんのわずかな刺激も痛みとして捉えやすくなります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯に炎症が生じ、酸性に傾くと虫歯治療の麻酔は効きにくくなる
・下顎の骨は厚みがあるため、下の奥歯治療では麻酔効果が薄れやすい
・上顎の骨は骨密度が高くないため、上の奥歯治療で麻酔が効きにくいケースは少ない
・体調が悪いと、麻酔が効かなくなったり、治療後に違和感を覚えたりすることがある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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