突然発生した虫歯の痛みを緩和する意外な方法について

寝る直前や、すでにクリニックが閉まっている時間帯などに、虫歯の痛みが襲ってくるというケースがあります。
このような場合の対処法には、患部を冷やしたり、痛み止めを飲んだりといったことが挙げられますが、実は他にも対処法があります。
今回は、突然発生した虫歯の痛みを緩和する意外な方法を見ていきましょう。

枕を高くする

寝る直前に急激な虫歯の痛みを感じた場合は、枕を高くすることである程度緩和できる可能性があります。

身体を横にすると、血液が頭部へと流れ込み、血管が膨張してしまいます。
そして、こちらが原因で近くにある神経が圧迫されると、今まで隠れていた虫歯の痛みが表出しやすくなります。

そこで枕を高くし、頭部の位置も同じように高くすれば、血流は少なくなるため、それほど強い痛みは感じないでしょう。
具体的には、タオルなどを枕の上に敷いて高くすることをおすすめします。

ただし、あまりにも枕を高くしすぎると、気道が塞がれる危険性があるため、注意してください。
その他、歯ぎしりや食いしばりによって歯に無理な力がかかり、亀裂が入ってしまうおそれもあります。
歯に亀裂が入れば、当然食べカスは溜まりやすくなり、こちらがまた虫歯に繋がりかねません。

塩水でうがいをする

塩をすぐに用意できるというのであれば、塩水でうがいをすることでも、虫歯の急な痛みはある程度緩和できます。

塩には殺菌・消毒効果が含まれていて、なおかつ炎症を抑える効果も期待できるため、口内を一度リセットさせるという意味で、塩水でのうがいは対処法として適していると言えるでしょう。
そして、塩水には歯や歯茎周辺の歯垢を除去してくれる効果もあります。

ちなみに、このとき用いる塩水は、“生理食塩水”にすることをおすすめします。

生理食塩水とは、血液などの体液と浸透圧が等しい、約0.9%の食塩水をいいます。
こちらは体液と同じであるため、目や鼻に入っても刺激がなく、もちろん口内や喉の痛みもほとんどありません。

作り方としては、まず水500mlに対し、塩小さじ1を用意します。
殺菌のため、あらかじめ水を10分ほど沸騰させた後、十分に冷まして塩を投入し、溶け残しがないようにかき混ぜたら完成です。

丁寧にブラッシングをする

突然ひどい歯の痛みの襲われたときは、丁寧にブラッシングをすることにより、意外とすんなり痛みが治まることもあります。
こちらは、患部の汚れによって歯の痛みが引き起こされていることがあるからです。

食べカスやプラークが溜まると、細菌の活動が活性化し、歯痛も強くなります。
そのため、痛みで辛い状況であっても、まずは患部を含めた歯列全体を優しく丁寧にブラッシングしましょう。

こちらは即効性が期待できる方法ではありませんが、常に意識していれば症状の悪化を防ぐことができます。

手のツボを押す

突然発生した歯の痛みを抑える方法としては、手のツボを押すということも挙げられます。

ツボと聞くと、マッサージ師などある程度知識のある方が押さなければ意味がないと考える方もいるかと思います。
しかし、実際は一般の方であっても、ポイントを押さえれば効果は得られます。

具体的には、手の人差し指と親指の骨が合流するところにある合谷というツボを押します。
こちらは熱を排出する作用があることから、炎症をやわらげると言われています。

合谷はやや人差し指寄りにあり、押すとわずかに痛みを感じます。
その部分を少し強めに2~3分ほど押すことにより、歯の痛みが緩和される可能性があります。

正露丸を詰める

歯の痛みがあるときは、痛み止めを服用するケースが多いかと思います。
同じ薬を使った対処法としては、正露丸を患部に詰める方法があります。

正露丸は腹痛の際に用いられる薬というイメージがありますが、実は歯痛を抑える成分が含まれています。
こちらの効果については、正露丸のパッケージにも公式に記載されています。
そのため、応急処置としては非常に良い方法です。

また正露丸は飲み薬などとは違い、患部に直接作用することから、即効性は高いと言えます。

虫歯の応急措置でやってはいけない行動

急に虫歯が痛んだとき、気になるからといって患部を押したり、爪楊枝などで触ったりするのはNGです。
むやみに触ることは、かえって痛みを増幅させることにつながります。

また直接指で患部を触ると、細菌が侵入して炎症を助長します。

もちろん、舌で触るのも刺激に伝わるため、控えなければいけません。
指などとは違い、舌で無意識に患部を触っているという方は多いため、意識して控えるようにしましょう。

その他、アルコールの摂取やタバコなどの生活習慣もNGです。
飲酒や喫煙をすることにより、体温を上げる作用が働くため、血流を促進して痛みが激しくなる可能性があります。

ちなみに、これらの嗜好品には歯を刺激するような成分も入っている可能性があるため、虫歯があるときは基本的に控えてください。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・枕を少し高くすれば、急な虫歯の痛みをある程度緩和できる

・枕を高くしすぎると、食いしばりや歯ぎしりによって歯に亀裂が入る可能性がある

・塩水でうがいをすれば、虫歯の炎症は抑えられる可能性がある

・塩水でのうがいには、体液と浸透圧が等しい“生理食塩水”を使用すべき

以上のポイントはしっかり押さえておきましょう!

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