“口腔癌”になりやすい人、症状が出ている人の特徴

口内には、内蔵と同じようにあらゆる腫瘍が発生します。

中でも、悪性のものは“口腔癌”と呼ばれていて、こちらは早急に切除しなければいけません。

ここからは、口腔癌を発症しやすい方、そしてすでに症状が出ている方の特徴について解説します。

気になる方はぜひ最後までご覧ください。

口腔癌の概要

まずは、口腔癌の概要について解説しましょう。

名前の通り、口の中にできる癌を“口腔癌”といいます。

発症する箇所は、舌の表面や下側、歯茎などで、目で見てわかるくらい大きいしこりを形成するケースが多いです。

もちろん、癌という名前がつくくらいですから、発症によって命が脅かされる可能性も否定できません。

早期癌の場合、5年生存率は90%と比較的高いですが、進行癌となるとこちらの数字は一気に50%まで下がります。

ちなみに、完全に切除したとしても、重度の機能障害が残ることがあります。

口腔癌の好発年齢やタイプ

口腔癌は、日本においては年間に8,000人ほどが新規に罹患していると言われていて、患者数は増加傾向にあります。

好発年齢については60歳代で、男性の方が女性より多いとされています。

また口腔癌は、口の中の粘膜表面から発生する扁平上皮癌というタイプがもっとも多く、口腔癌全体のおよそ90%を占めています。

残りの10%は唾液腺から発生するタイプや肉腫、悪性リンパ腫、白血病などです。

口腔癌の初期症状

口腔癌は直接観察でき、触って調べられることが特徴です。

初期の口腔癌では、痛みや出血などのハッキリした症状はあまり見られません。

舌や口の中の粘膜が白っぽくなったり、赤くただれたり、舌に硬いしこりができたりします。

歯肉癌の場合は、歯茎の腫れや出血、歯のぐらつきといった症状が現れることもあります。

また癌が進行すると痛みや出血が続く、舌の動きが悪くなる、口臭が強くなるといった症状が出るようになります。

ちなみに、舌や口の粘膜が赤くただれるなどの症状は、口内炎や歯周病でも現れます。

そのため、自覚症状だけで口腔癌かどうかを見極めるのは非常に難しいです。

口腔癌の症状が出やすい人の特徴

以下の項目に該当する数が多いほど、口腔癌の症状は出やすくなるため、注意してください。

・毎日10本以上タバコを吸う
・主に葉巻、パイプを愛用している
・50歳以上で、飲酒時にも喫煙している
・飲酒時、すぐ顔が赤くなる
・アルコール度数の強い酒を好む
・毎日歯を磨いていない
・舌、頬の内側を噛んでしまうことが多い
・入れ歯、歯の詰め物が口内に当たって痛い
・栄養が偏りがち
・過去に癌を発症したことがある

上記に該当する方が、必ずしも口腔癌を発症するというわけではありません。

しかし、飲酒や喫煙、口内の衛生状況の悪化、栄養不足などは、口腔癌の発生に繋がりやすいため、覚えておきましょう。

口腔癌の症状が出ている人の特徴

以下の症状のうち、過半数以上当てはまっている方は、すでに口腔癌の症状が出ているかもしれません。

よって、早めに歯科医院を受診しましょう。

・口内に硬いしこりがある
・口内でよく出血が見られる
・口内にしびれる箇所がある
・口内に腫れが見られる
・口内に白あるいは赤く変色した箇所がある
・口臭がある
・歯がぐらついている
・長期間(3週間程度)完治しない口内炎がある
・首のリンパ節の腫れが長期間(3週間以上)継続している

口腔癌の診断

口腔癌の診断では口腔内の病変を視診したり、鼻腔を経由して細いファイバースコープで咽頭、喉頭などを観察したりして病変の広がりなどを確認します。

具体的には画像診断としてCT検査やMRI検査、超音波検査などが実施されます。

また、口腔内の病変が癌であるかどうかの診断は、病変の一部を切り取って行うケースが多いです。

切り取った一部を顕微鏡の検査に回した後、癌細胞が認められれば確定となります。

ちなみに、癌の進行度は第Ⅰ期~第Ⅳ期の4段階に分けられます。

こちらは咽頭の腫瘍の大きさ、頸部リンパ節転移の大きさや数、肺や骨などの遠隔転移の有無によって決定されます。

口腔癌の治療

口腔癌の治療法には手術による切除、放射線治療、抗癌剤による治療があります。

治療の選択は癌の部位や大きさ、病理組織診断や転移によって決定され、場合によってはそれぞれの両方を併用することもあります。

首のリンパ節に転移がある場合には、首のリンパ節郭清(溜まった悪いものを取り除く治療)を行います。

また口腔癌の手術では舌や顎骨、顔面などを切除するため、術後にさまざまな後遺症が残る可能性があります。

例えば咀嚼障害や嚥下障害、顔貌の変形などです。

口腔癌の予後

口腔癌の5年生存率は、進行している場合40~60%程度で、転移は25%程度と言われています。

治療後は、癌の再発や転移をチェックするための通院が必要です。

また、治療後の定期検診では、PET-CT検査を導入しているところがおすすめです。

PET-CTは、組織の形態だけでなく機能も画像化することにより、高精度の検診を可能にする機器です。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下の通りです。

・舌の表面や下側、歯茎などにしこりを形成するのが口腔癌の症状

・進行した口腔癌の5年生存率は決して高くない

・飲酒や喫煙、口内の衛生状況の悪化、栄養不足などが口腔癌に繋がりやすい

・口臭や歯のぐらつき、口内のしびれや首のリンパ節の腫れなども口腔癌の症状

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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