“顎関節症”になると発生する3つの症状について

顎は複雑な形状と多くの機能を持っていて、筋肉と関節、神経が集中して下顎を支えています。

食事や会話の際にはこれらが連動しますが、嚙み合わせやストレスなどが原因で、顎がうまく機能しなくなるのが“顎関節症”です。

今回は、顎関節症になると発生する3つの症状について解説しましょう。

口を開けると音がする

顎関節症の症状の1つとして、まず“口を開けると音がする”ということが挙げられます。

通常、口を開閉しても、特に目立つような音は鳴りません。

一方、顎関節症になると、開閉するたびに耳の前で耳障りな音が聞こえるようになります。

具体的には、“カクッ”、“ゴリッ”という音で、砂利を踏むような音と表現されることもあります。

ちなみに、この音は顎の関節円板が引っかかる音、顎関節を構成する骨の変形により、こすれ合う音とされています。

口を大きく開けられない

顎関節症の方は、症状がない方に比べて口を大きく開けられません。

目安としては、人差し指から薬指までの指3本が入るところまで口が開かない場合、顎関節症の可能性が高いとされています。

よって、大きなアクビをしたり、サイズの大きいもの(リンゴの丸かじりなど)を食べたりすることが困難になります。

その他、食事に与える影響としては、口が大きく開かないことで、硬いものを噛めなくなることも考えられます。

もちろん、自由に食事ができないという状況が、大きなストレスを生む可能性も否定できません。

顎が痛む

顎関節症の主な症状には、“顎が痛む”ということも挙げられます。

こちらは、主に口を開閉したときに出やすい症状ですが、場合によっては少し顎を動かしただけでも、痛みが発生することがあります。

その他、硬いものを食べたときにも痛みは発生しますし、症状がひどい方は、何もしなくても顎に違和感程度の痛みが出てきます。

さらに悪化すると、顎だけでなくこめかみや頬など、顎を動かす筋肉が痛んだり、口が開かなくなったりすることも考えられ、ここまで来ると生活にかなりの支障が出てしまうでしょう。

ちなみに、常に痛みが続く方は、腕や指のしびれ、めまい、片頭痛、肩凝り、腰痛などを併発するおそれがあります。

耳の周りが痛む

顎関節症を発症することにより、耳の周りが痛むというケースもあります。
具体的には、顎関節の不調が耳鳴りや耳の閉塞感を引き起こし、ひどい場合には難聴につながることも考えられます。

また耳鳴りを引き起こすことにより、睡眠不足や集中力の低下などが併発することもあります。

さらに耳周辺の症状がストレスになり、自律神経の乱れを引き起こすことで、さらに耳鳴りが悪化するという悪循環に陥るケースもあります。

顔のしびれやチクチク感

顎関節症の症状としては、顔のしびれやチクチク感なども挙げられます。

顎関節が不調に陥ると、三叉神経が炎症によって刺激され、顔や首にしびれやチクチクとした感覚を引き起こすことがあります。
そこまで強い痛みを伴うわけではありませんが、常に顔周りに違和感があるような状態であるため、こちらの症状を放置するとストレスが溜まります。

呼吸の異常

そこまで頻繁に起こることではありませんが、顎関節症を発症することにより、呼吸の異常が見られることもあります。

正しい呼吸をしているときは、舌も正しい位置にあります。
しかし、顎関節症によって下顎がずれてしまっている場合、舌の位置にも影響することがあります。
その結果、気道を狭めてしまい、異常な呼吸を引き起こすことが考えられます。

もちろん、顎関節症の症状は就寝中にも継続します。
就寝中、気道が狭まって呼吸がしにくい状態になると、非常に危険です。

顎関節症の受診の目安は?

顎関節症の症状は、放置していても基本的に改善されることはありません。
そのため、改善もしくは完治させるには、歯科クリニックへの通院が必要不可欠です。

また受診の目安についてはいくつかありますが、常に顎の痛みや不快感があるという場合は、早急に歯科クリニックに通うべきだと言えます。

その他顎を動かすと痛みが走る場合も、確実に顎関節に異常が見られるため、放置せずに通院すべきです。

さらに、口の開閉が完全に行えない場合も、なるべく早めに通院しましょう。

ちなみに顎関節症の治療には、スプリント療法や理学療法、薬物療法などがあります。

スプリント療法は、歯ぎしりや食いしばりで顎関節症を発症している場合に行われる治療で、就寝時にマウスピースを装着します。
これによって顎関節や筋肉への負担を減らし、正しい位置に誘導します。

理学療法については、徐々に口を開けるための開咬訓練や、顎周りの筋肉を優しくほぐすマッサージなどがあります。
患部を温めて血行を良くする温熱療法、低周波の電気刺激で筋肉をマッサージする低周波療法なども、理学療法に含まれます。

薬物療法については、顎関節の痛みが特に強い場合に、鎮痛薬を処方するものです。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・顎関節症は、嚙み合わせ、ストレスなどの原因で顎がうまく機能しなくなる症状

・顎関節症になると、耳の前で耳障りな音がする

・口を大きく開けられず、日常生活や食事に支障が出るのも顎関節症の症状

・ひどい顎関節症の場合、何もしなくても顎やその周辺が痛むことがある

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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